ボロノイNFC名刺の高速プロトタイピング

2026年5月9日

3Dプリントされたボロノイ名刺

家にある古い名刺の山を眺めていた。

間違った住所。
古い情報。
死んだ在庫。

ただ机の上で無駄金になっているだけ。

同時に、自分は今でも頻繁に名刺が必要だ。特に日本では、名刺は今でも文化的に重要だから。

でも見るたびに、ずっと同じことを考えていた。

なぜ名刺はいまだにこんなにも原始的なんだ?

今の時代には:

  • AIがコードを書き
  • 自動運転車が走り
  • ロボットが倉庫を動かしている

……それなのに、まだ洞窟人みたいに紙の長方形を交換している。

たまに面白いものもある:

  • PCB名刺
  • 彫刻入りメタルカード
  • セキュリティ関係者のロックピック型カード

そういうものは、「物そのもの」がアイデンティティの一部になるから機能している。

自分がやりたかった方向性もそこだった。

また別の汎用的な「スマート名刺」じゃない。

欲しかったのは:

  • 軽量
  • 一部が中空
  • NFC対応
  • 印刷が速い
  • そして明確に“自分のもの”だと分かるもの

文字だらけはいらない。

たぶん必要なのは:

  • ロゴ
  • 素材を減らすための穴
  • そしてスマホで直接URLを開くNFCタグ

アイデアはそれだけだった。


構造

最近の工業製品の内部で見たことがあるパターンをずっと思い出していた。

有機的で、 骨格っぽくて、 ほとんど生物みたいだった。

最終的に見つけた。

ボロノイ格子。

見た瞬間に、 「あ、これだ」と分かった。


ワークフロー

皮肉なことに、一番難しかったのはプリントではなかった。

CADだった。

自分は以下を使いこなせない:

  • :contentReference[oaicite:0]
  • :contentReference[oaicite:1]

しかもChatGPTまで、過剰設計されたワークフローばかり勧めてきた:

  • トポロジー最適化
  • Geometry Nodes
  • 高度なCADパイプライン

自分が欲しかったのはただこれだけだった:

今日中に存在させること。

最終的に全部無視して、一番バカっぽい方法を試した。

SVGを生成  Tinkercadへインポート

即座にうまくいった。


ステップ1 — ボロノイSVGを生成

使ったのはこれ: https://voronoi-editor.web.app/

あのツールを作った人には本当に感謝したい。 複雑なCADワークフローの必要性を完全に消し去ってくれた。

ボロノイSVG生成ツール

一番の課題は、このバランスだった:

  • 剛性
  • 印刷速度
  • 見た目
  • 素材使用量

穴が多すぎると脆くなる。

少なすぎると、このデザインの雰囲気が消える。


ステップ2 — Tinkercadへインポート

SVGを以下へインポート: :contentReference[oaicite:2]

その後:

  • 押し出し
  • 穴あけ用として使用
  • NFCタグ用の中央円を追加
Tinkercadへインポートされたボロノイパターン 名刺にボロノイ穴を切り抜いている様子

カード本体は単純に:

85mm x 55mm

モデリング作業は基本的にそれだけだった。


最初のプロトタイプ: 失敗

失敗した最初のボロノイ名刺プリント

すぐに2つの問題が出た。

厚すぎた

最初は:

85mm x 55mm x 3mm

厚すぎた。

名刺というより武器みたいだった。


穴が大きすぎた

ボロノイセルが攻めすぎていて、構造の剛性がかなり失われていた。

なので途中でプリントを止め、パラメータを調整して再挑戦した。


2回目の試作

成功した3Dプリントのボロノイ名刺

かなり良くなった。

最終版は:

  • 26分で印刷でき
  • 素材の無駄が少なく
  • ユニークで
  • NFCによって自然に物理とデジタルを繋いでくれる

現在の厚さ:

2mm

でも、すでにもっと薄くしたいと思っている:

1mm ~ 1.5mm

全工程:

アイデア  プロトタイプ  物理オブジェクト

にかかった時間は:

3時間未満

名刺そのものは、ほとんど重要じゃない

そこが一番ヤバい部分だ。

本当に面白いのは、名刺そのものじゃない。

面白いのはこれが崩壊し始めていることだ:

想像と製造の距離。

今では、

  • ノートPC
  • AIツール
  • インターネット接続
  • 安価な3Dプリンター

さえあれば、一人で:

  • モノを想像し
  • 試作し
  • 製造し
  • 改良を繰り返せる

しかも半日以内に。

自宅オフィスから。

少し前なら、これには:

  • 専門ソフト
  • 加工工場
  • 工業用設備
  • 高価な試作パイプライン

が必要だった。

今必要なのは、ほとんど:

  • 好奇心
  • 勢い
  • そしてバカっぽいアイデアを素早く試す意思

だけだ。

それは名刺以上のものを変える。

アイデアが現実になる速度そのものを変えてしまう。

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